「申込状況の数字、どう読めばいい?」「本当に激戦なのはどこ?」
この記事では、札幌市が公表した令和7年度(2025年度)1次選考データと、令和7年11月21日更新の全施設受入予定・申込状況データ(令和8年度入所分)を組み合わせて、保活に役立つ分析をまとめます。
申込状況の「倍率」は参考値にすぎない
札幌市の申込状況データを読む前に、最重要の注意点を確認しておきましょう。
公表されている「申込数」は延べ希望数です。
札幌市では最大5施設を希望として記入できます。1人が5施設を希望した場合、申込数は5としてカウントされます。そのため「申込数÷受入数」で計算した倍率は、実際の競争率より大幅に高く出ます。
申込数2,498・受入数1,232でも、実際に申し込んだ子どもの数は1,232人より少ない可能性があります。
この点を踏まえて以下のデータを読んでください。
令和7年度 1次選考 全体データ
令和7年度(2025年度)4月1日入所の1次選考申込状況です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 申込児童数(延べ) | 4,018人 |
| 受入予定数 | 3,560人 |
| 差引(超過) | +458人 |
全市で458人分の受入枠不足が生じていました。ただしこれは延べ数のため、実際の待機状況とは異なります。
令和7年度 年齢別の申込状況
年齢別に申込数と受入数を比較すると、クラスによって状況が大きく異なります。
| 年齢 | 申込数 | 受入予定数 | 差引 | 競争感 |
|---|---|---|---|---|
| 0歳 | 598人 | 634人 | −36人 | 🟢 受入余裕あり |
| 1歳 | 1,517人 | 1,232人 | +285人 | 🔴 最激戦 |
| 2歳 | 699人 | 632人 | +67人 | 🟡 やや激戦 |
| 3歳 | 579人 | 572人 | +7人 | 🟢 ほぼ均衡 |
| 4歳 | 381人 | 370人 | +11人 | 🟢 ほぼ均衡 |
| 5歳 | 244人 | 120人 | +124人 | 🟡 ※注 |
※5歳の超過が大きいのは、年度途中で5歳になる子が既に在籍しているためです。新規入所希望は少なく、実態の競争率は低いです。
1歳クラスが断然最激戦。 285人分の超過は全年齢の超過458人の62%を占めます。育休明けの入所希望が1歳クラスに集中する構造は毎年変わりません。
逆に0歳クラスは受入が申込を上回っており、全市として余裕があります。 激戦区での保活を考えている方は0歳入園の検討が有効です。
令和7年度 区別の申込状況(超過人数)
区別に見ると、中央区・豊平区の超過人数が多くなっています。
| 区 | 受入予定数 | 申込数(延べ) | 超過人数 |
|---|---|---|---|
| 中央区 | 353人 | 435人 | +82人 |
| 豊平区 | 466人 | 543人 | +77人 |
| 白石区 | 387人 | 452人 | +65人 |
| 清田区 | 14人 | 76人 | +62人 |
| 西区 | 467人 | 524人 | +57人 |
| 北区 | 643人 | 694人 | +51人 |
| 手稲区 | 179人 | 212人 | +33人 |
| 東区 | 557人 | 603人 | +46人 |
| 南区 | 289人 | 273人 | −16人 |
| 厚別区 | 205人 | 206人 | +1人 |
ただし、この数字だけで「中央区が最激戦」と判断するのは誤りです。次のセクションで詳しく解説します。
令和8年度データで見る区別の本当の競争感(1歳クラス)
令和7年度の1次選考データは「全年齢の合計」のため、年齢構成の違いで区間比較が難しくなります。より正確な競争感を知るには、1歳クラスに絞った倍率が最も参考になります。
令和7年11月21日更新の全施設データから集計した令和8年度入所・1歳クラスの区別倍率です。
| 順位 | 区 | 受入 | 申込 | 倍率 | 競争感 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位(最激戦) | 西区 | 239人 | 1,099人 | 約3.4倍 | 🔴 |
| 2位 | 豊平区 | 278人 | 887人 | 約3.2倍 | 🔴 |
| 3位 | 南区 | 144人 | 426人 | 約3.0倍 | 🔴 |
| 4位 | 厚別区 | 152人 | 355人 | 約2.3倍 | 🟡 |
| 5位 | 手稲区 | 207人 | 473人 | 約2.3倍 | 🟡 |
| 6位 | 北区 | 447人 | 1,005人 | 約2.25倍 | 🟡 |
| 7位 | 白石区 | 277人 | 591人 | 約2.1倍 | 🟡 |
| 8位 | 中央区 | 230人 | 414人 | 約1.8倍 | 🟢 |
| 9位 | 東区 | 434人 | 638人 | 約1.5倍 | 🟢 |
| 10位(最入りやすい) | 清田区 | 170人 | 247人 | 約1.45倍 | 🟢 |
令和7年度データとのズレの原因
令和7年度データで「中央区が超過人数最多(+82人)」となっていたのは、中央区の施設数が多く申込の絶対数が集まりやすいためです。しかし倍率(受入に対して何倍の申込があるか)で見ると中央区は8位で、決して最激戦ではありません。
「清田区が超過+62人」も誤解を招きます。 清田区の受入予定数が14人と極端に少ない(令和7年度1次選考時点)ため超過率が高く見えましたが、全施設データを集計すると倍率は10区中最低です。
令和8年度データで見る0歳クラスの状況
0歳クラスの区別倍率です。1歳と比べると全区で競争が緩やかです。
| 区 | 受入 | 申込 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 西区 | 226人 | 492人 | 約2.2倍 |
| 南区 | 172人 | 237人 | 約1.4倍 |
| 厚別区 | 150人 | 181人 | 約1.2倍 |
| 豊平区 | 394人 | 466人 | 約1.2倍 |
| 白石区 | 381人 | 413人 | 約1.1倍 |
| 手稲区 | 206人 | 218人 | 約1.1倍 |
| 北区 | 455人 | 473人 | 約1.0倍 |
| 中央区 | 220人 | 220人 | 約1.0倍 |
| 東区 | 419人 | 401人 | 0.96倍(受入>申込) |
| 清田区 | 144人 | 118人 | 0.82倍(受入>申込) |
東区・清田区は0歳クラスの申込が受入を下回っています。特に清田区の0.82倍は全市唯一1倍未満で、0歳入園を検討するなら清田区・東区が最も入りやすいです。
「超過人数」だけで判断してはいけない理由
令和7年度データの区別超過人数を見ると「中央区+82人が最激戦」に見えますが、これには落とし穴があります。
施設数・受入数が多い区ほど申込の絶対数も集まります。 中央区は受入353人の区、清田区は受入14人の区(令和7年度1次選考時)です。超過62人の清田区は超過率440%以上ですが、全施設データ集計では倍率最低の区です。
正確な競争感を知るには、以下の順で確認することが重要です。
- 区全体の1歳クラス倍率(受入合計÷申込合計)
- 希望施設の個別倍率(施設ごとの受入数と申込数)
- 自分の点数(点数が低ければ倍率が低い施設でも落選する可能性あり)
来年度の保活対策
申込状況データから見えてくる保活対策をまとめます。
① 1歳クラスは最激戦。0歳入園を検討する
毎年1歳クラスが最激戦となる構造は変わりません。激戦区(西区・豊平区・南区など)では特に、育休を少し早めに切り上げて0歳4月入園を目指すことが有効な戦略です。
② 「中央区が最難関」というイメージを捨てる
倍率ベースでは中央区は10区中8位(約1.8倍)です。最激戦は西区(約3.4倍)・豊平区(約3.2倍)です。思い込みで選択肢を狭めないようにしましょう。
③ 区全体の倍率より施設ごとの倍率を確認する
同じ区内でも施設によって倍率が数倍〜数十倍の差があります。希望施設を選ぶ段階で個別の倍率を必ず確認しましょう。
👉 各区の全施設データ:
西区 /
豊平区 /
北区 /
中央区 /
東区 /
清田区 /
白石区 /
厚別区 /
南区 /
手稲区
④ 自分の点数を把握して現実的な見通しを立てる
よくある疑問Q&A
Q. 公表されている倍率は正確ですか?
公表されている申込数は「延べ希望数」のため、単純な倍率は実際の競争率より高く出ます。参考値として活用しつつ、施設ごとの受入数・申込数を見る方がより実態に近いです。
Q. 札幌市で一番激戦の区はどこですか?
令和8年度入所の全施設データをもとにした1歳クラス倍率では、西区(約3.4倍)が最激戦です。令和7年度の1次選考データで「中央区が超過人数最多」とされていましたが、倍率ベースで見ると中央区は10区中8位です。
Q. 1歳クラスは何点あれば入れますか?
区・施設・加点状況によって異なりますが、以下が目安です。
- 西区・豊平区・南区(倍率3倍以上):240〜280点以上が目安
- 厚別区・白石区・手稲区(倍率2.3〜2.5倍):200〜240点が目安
- 中央区・北区(倍率1.8〜2.25倍):200点前後が目安
- 東区・清田区(倍率1.5倍前後):200点未満でも可能な施設あり
Q. 南区は入りやすいと聞きましたが?
令和7年度1次選考データでは南区が唯一マイナス(−16人)でした。しかし令和8年度の全施設1歳クラス集計では南区は倍率約3.0倍(全市3位の激戦)です。「認定こども園そらいろ」(1歳受入8人・申込52人・約6.5倍)など激戦施設が集中しています。1次選考データだけで「南区は入りやすい」と判断するのは危険です。
まとめ
申込状況データの読み方と保活への活用ポイントをまとめます。
データの正しい読み方
- 申込数は「延べ希望数」のため、倍率は参考値
- 超過人数の絶対数は施設数・受入数の大きさに影響される
- 最も正確な競争感は「1歳クラスの区別倍率」
令和7・8年度データから見えた実態
- 毎年1歳クラスが最激戦(超過人数の6割超を占める)
- 最激戦区は西区(約3.4倍)・豊平区(約3.2倍)・南区(約3.0倍)
- 最入りやすい区は清田区(約1.45倍)・東区(約1.5倍)
- 0歳クラスは全市で余裕あり(清田区・東区は受入>申込)
- 「中央区が最難関」は誤ったイメージ
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※令和7年度データは札幌市が公表した1次選考申込状況をもとにしています。令和8年度データは令和7年11月21日更新の「各園の受入予定・申込状況」をもとに筆者が全施設を集計・分析したものです。最新情報は必ず札幌市公式サイトをご確認ください。



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